(592)新樹光坂があがつて来いといふ/横澤放川(1947年~)
「新樹光」は初夏の若葉を付けた木々の瑞々(みずみず)しい光のこと。街路樹のある坂だろうか、上の方から「坂が」作者に「あがつて来い」と呼びかけてくる。実際にはあり得ないことだが、坂は人生の困難とその克服の象徴であろう。ピンチはチャンスという逆転の発想もある。新樹光は生命力にあふれ、全身から力が湧いて…
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