閉じる

カンタータ「大いなる故郷石巻」 共に創る仲間紹介(3) 芝居

カンタータ第2楽章「たたら火」で斎太郎を演じる芝原さん

 カンタータ「大いなる故郷石巻」(石島恒夫作詞、小杉太一郎作曲)公演が28日午後1時半から石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)で行われる。1973年の初演を皮切りに10年ごとに開催。今年は半世紀の節目、演出を新たにして臨む。「共に創ろう」を合言葉に励む仲間たちを紹介する。

仙台市・芝原弘さん(41)

 俳優として参加することになったいきさつに本人が一番、驚いている。

 「合唱と演奏、それに踊りで構成されてきたカンタータに、役者の出番はないものと諦めていた」

 ところが初演から半世紀。誰が見ても楽しめるカンタータを創ろうと、演劇要素が取り入れられることになった。 「ゼロから関わることができてうれしい」

 石巻市出身。桐朋短期大芸術学部演劇科で学んだ後、東京の劇団で活動。古里を見つめ直すきっかけになったのが東日本大震災だ。演劇ユニット「コマイぬ」を結成し被災地を芝居で元気づけてきた。2019年、東京から仙台に移住し、今では石巻の演劇界になくてはならない存在となった。初の試みとなる「芝居」に声がかかった。

 出番は江戸時代の鋳銭場が舞台の第2楽章「たたら火」。銭を造るたたら職人の斎太郎を演じる。

 「役について、偽の銭を造り流罪となり、妻との再会を願い続けながら獄中で息絶えた、と聞かされた」

 合唱と交響楽団の演奏に合わせて無言で演じる。妻役はモダンバレエの武田真由子さん(22)=石巻市出身、東京都=が務める。

 「ダンスという『動』、それを見つめる私の『静』を通して、2人の愛情と悲哀を伝えられればと思う」

 カンタータ「大いなる故郷石巻」公演は28日午後1時半から石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)で行われる。初演から半世紀。10年ごとに上演されてきた古里賛歌である。チケットは完売。連絡先は主催の市文化協会0225(22)4689。

関連リンク

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ