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石巻圏観光動態 県外客回復も、「再来したい」6割に減 昨年度調査まとまる

 石巻市の一般社団法人石巻圏観光推進機構は、2022年度の石巻圏観光動態調査結果をまとめた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動制限が緩和され、県外からの来訪者が回復し、関東地方からが4割近くを占め最多だった。一方で、例年は8割を超えていた「再び訪れたい」「他の人に薦めたい」と答えた人の割合がいずれも6割に低下した。観光情報の不足を指摘する声があり、機構は発信方法の改善などを図る考え。

 調査は22年4月1日~9月30日、石巻地方2市1町の観光、宿泊施設10カ所の利用者にアンケートへの協力を依頼し、335件の回答を得た。

 来訪者の居住地は関東地方が37.3%で前年を16.1ポイント上回った。県内が32.5%(前年比29.2ポイント減)で続き、東北5県・北海道が14.9%(8.2ポイント増)だった。

 石巻圏への来訪回数は、「初めて」が48.7%で前年より8.5ポイント増加。2回目以上のリピーターは49.9%で、前年より7.2ポイント減った。遠方からの来訪が回復したことに伴い、新規の旅行者が増えた。

 来訪目的(複数回答)は「食事・グルメ」が34.9%で最も高く、「自然観賞・散策」と「震災からの復興状況の見学」がともに34.3%で続いた。昨年4月に開館した石巻市の東日本大震災遺構「門脇小」や「みやぎ東日本大震災津波伝承館」、いしのまき元気いちばが人気だった。

 石巻圏に「もう一度旅行に来たいか」「家族や友人ら親しい人に薦めたいか」を聞いた設問では、「非常にそう思う」「ややそう思う」の合計が「もう一度-」は62.1%、「家族や-」は61.5%だった。19~21年の調査ではいずれも8割を超えていた。

 不満だった点では、飲食店の情報量や営業時間、観光施設への案内表示などを挙げる意見が目立った。

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