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石巻市産業用地・下釜南に食品容器工場 大阪の企業が進出計画 来年度操業目指す

三宝化成工業の工場建設計画地。高盛り土道路「門脇流留線」(左奥)の南側にある

 石巻市が東日本大震災の津波被害に伴い被災市街地復興土地区画整理事業で整備した下釜南地区の産業用地に、食品包装資材などの製造販売を手がける三宝化成工業(大阪府)が工場の建設を計画していることが30日、分かった。地元を中心に正社員50人以上を雇用する見込み。来年1月までの着工と、2024年度中の操業開始を目指す。

 三宝化成工業は1977年創業。大阪府吹田市に本社を置き、プラスチック製のトレーやカップなどを製造販売している。石巻市流留に東北6県や新潟、北海道エリアをカバーする東北支店がある。

 工場用地として、下釜南地区の産業用地西側の約1万5200平方メートルを約4億1400万円で取得する見込み。建物は鉄筋コンクリート一部4階で、延べ床面積は約3万平方メートル。豆腐や総菜、ゼリーといった食品の容器、楽天モバイルパーク宮城(仙台市)で使用されるドリンク用カップなどを製造し、年間約45億円の売り上げを見込む。事業費は60億円以上で、国の津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金を活用する予定。

 同社の製造拠点は島根県の松江工場に次ぎ2カ所目。石巻に東北支店が立地することや、東北沿岸の水産加工業者にも取引先が多く三陸沿岸道石巻港インターチェンジに近いことなどが決め手になった。

 担当者は「東日本にも拠点を設けることで、災害時のリスク分散や輸送にかかる環境負荷の低減などが期待できる。生産拡大と新たな顧客開拓を図りたい」と話した。

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