武蔵野美大学長、芸術の意義語る 石巻市博物館・企画展「民具のデザイン図鑑」
石巻市博物館の第5回企画展「民具のデザイン図鑑」の開幕に合わせたトークイベントが、博物館がある同市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)で開かれた。企画展に特別協力する武蔵野美術大の樺山祐和学長が、芸術のあり方や意義を語った。約40人が聴講した。
樺山学長は絵を描く際の心構えについて「描く対象に憑依し、そのものになること」と語った。乗り移って相手の視点に立つことで「見る/見られる」という対の関係が循環し、世界と一つになる境地に至る-という、芸術ならではの感覚を説明。「民具なら民具の視点に立つと理解が広がる」と企画展をより楽しむ視点を示した。
さらに「社会は効率と合理で無駄なく動くものだが、美術は衝動から成る無目的の営みだからこそ意味が生まれる。アートにたくさん触れて、心を豊かにしてほしい」と語った。
企画展は8月20日まで。イベントは企画展開幕日の5月27日にあった。
7月1日午後1時からの関連イベントでは、武蔵野美術大の杉浦幸子教授ら3人の専門家が、民俗資料の可能性をデザインや美術に与えるインスピレーションという観点で語り合う。会場は市複合文化施設小ホール。参加無料で申し込み不要。
企画展の観覧料は一般600円、高校生400円、小中学生200円。常設展も観覧できる。博物館の開館時間は午前9時~午後5時(入館受け付けは午後4時半まで)。毎週月曜休館(当日が祝日の場合は翌日)。連絡先は市博物館0225(98)4831。
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