防災教育、児童遺族に学ぶ 震災遺構で新任教職員研修 子どもの命を第一に
県教委は本年度の新規採用教職員589人を対象に、防災の知識と技能を身に付けるための「初任者研修・新規採用研修」を13日、実施した。四つの会場のうち石巻会場では、157人が石巻市釜谷の市震災遺構「大川小」と市河北総合センターで防災教育について理解を深めた。
東日本大震災で校庭にいた児童74人が犠牲となった大川小では、6年だった次女みずほさん=当時(12)=を亡くした元教員で「大川伝承の会」共同代表の佐藤敏郎さん(59)が解説し、参加者は校舎などを真剣な表情で見つめながら、佐藤さんの言葉に耳を傾けた。
佐藤さんは「子どもたちにとって学校は生活の真ん中にあるため、日頃から防災の意識を持った教育をするきっかけとしてほしい」と話した。
河北総合センターでは、6年だった長女小晴さん=同(12)=を失った石巻市青葉中校長の平塚真一郎さん(56)が講師を務め「人ごとから自分事へ。子どもの命を第一に考えた組織づくりと古めかしい防災のアップデートが重要だ」と訴えた。
研修を受けた石巻高の冨士原潤さん(25)は「大川小は震災前と現状の違いに言葉が出ない。教育をする上で防災意識は改めて重要と感じた」、美里町不動堂小の知野結さん(22)は「防災計画をしっかり立てて、防災のアップデートができる先生になりたい」と意気込んだ。
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