(620)わが死後へわが飲む梅酒残したし/石田波郷(1913~1969年)
友人のKは家が大学に近く、よく遊びに行っていた。Kは酒を好むわけではなかったが、私が強く勧めて一しょに梅酒を漬けたことがある。遊びに行くたび、瓶の中の焼酎が少しずつ色づいていくのが楽しみだったものだ。Kが仙台を離れるとき、結局梅酒はほとんど減っておらず、私がもらうことになった。「うめしゅ」とひらが…
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