フレッシュマン奮闘＞石巻消防署 西分署

　この春に新たな一歩を踏み出した若者たち。研修や業務の現場で奮闘の日々が続く。新たな舞台に立った新社会人を紹介する。（随時掲載）

石巻消防署 西分署予防係　嶋田武蔵さん（２１）

＜緊張の現場で使命感＞

　小学３年のとき東日本大震災に遭い、避難先の石巻市石巻中で消防士が多くの命を救う姿を見た。それ以来興味を持ち、消防士を志した。

　石巻市出身。石巻工高を卒業後、仙台大原簿記情報公務員専門学校に進学。公務員試験に合格し、県消防学校で１年間学んだ。「消防学校は体力的にも精神的にもきつかったが、人として強くなれたと感じる」

　石巻消防署西分署の予防係に配属され、飲食店やガソリンスタンドなどの消火設備の管理状況を確認している。火災現場には既に何度か出動。初めての現場では訓練通りに消火活動できず、上司に言われたことをするのが精いっぱいだった。

　普段優しい先輩方の雰囲気ががらっと変わり、空気が張り詰めるのを感じた。現場には不安そうな住民がいた。自分が支えなければという思いが強まった。

　より人と接する機会の多い現場で活動したいと、救急救命士選抜試験の勉強に力を入れる。消防学校の現場研修で救急救命士の仕事を間近で見て、住民一人一人に接して貢献できると思った。「より地域住民の方々に寄り添える隊員になりたい」と意気込んだ。