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「野菊の墓」に涙 石巻・キネマティカで朗読劇 名作演じ続ける場に

「野菊の墓」を朗読劇で上演した政夫役の芝原さん(右)と民子役の大橋さん

 石巻地方を拠点にする演劇ユニット「コマイぬ」が17日、石巻市中央1丁目のシアターキネマティカに初めて登場し、朗読劇「野菊の墓」(作・伊藤左千夫、脚色・高橋菜穂子)を上演した。芝原弘さん(41)と大橋奈央さん(28)の俳優2人による読み芝居。約120年前の名作を約1時間の舞台にして届けた。

 15歳の少年政夫と17歳のいとこ民子の悲恋を芝原さんと大橋さんが演じた。周囲から引きはがされながらも互いへの思いを貫いた2人の美しい愛の物語が観客の涙を誘った。

 市内から観劇に来た専門学校生の榊ひなたさん(19)は「朗読の力に驚いた。高校時代、演劇部だったので刺激された。キネマティカに立ってみたくなった」と話した。

 民子をはじめ政夫の母など4役をこなした大橋さんは「客席に石巻の演劇関係者がいたので緊張した。メリハリをつけて役に挑んだ」と充実感をにじませた。

 キネマティカでの初芝居となったコマイぬ代表の芝原さんは「ここで日本の名作を続けていけるようにしたい。石巻の演劇の中心地にしたい」と強調した。

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