今季の放牧は中止に 上品山牧場、老朽化進む 民間貸与など利活用検討
石巻市は本年度、市営河北上品山牧場(石巻市三輪田)での牛の受け入れを中止した。給水管が老朽化で損傷し、飼育に必要な水の確保が困難となったため。開設から50年が経過し施設全体の老朽化が進んでいる上、近年は預託頭数が減少していることもあり、市は民間への貸与などを含め利活用の在り方を検討する。
河北上品山牧場は1972年に開設。牛の健康増進やストレス軽減による安定出産、飼育農家の労力低減が狙いで、例年5~11月ごろに繁殖用牛の放牧地として開放している。
今季の受け入れに向け市が3月中旬に施設点検をしたところ、給水設備の漏水が見つかった。全長約1.7キロの給水管は損傷が激しく、応急修繕では対応しきれなかった。交換工事をした場合7月過ぎまでかかることから、今季の受け入れ中止を決め、修繕もいったん見合わせた。
最盛期に200頭を超えていた預託牛は、飼育農家の減少などで年々減少。昨年度は26頭にとどまった。市は農家など関係者と意見交換し、今後の利活用の在り方を検討する方針。
23日に河北総合支所であった「動く市長室」では、地元で酪農を営む男性が「上品山牧場は河北のシンボルで、後世に残したい。体験ができる牧場として経営させてもらいたい」と提案した。
斎藤正美市長は「借りて運営したいという人がいるなら、任せることも検討する」と述べ、民間活用も選択肢とする考えを示した。
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