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漁業者のキクラゲ、人気 石巻・小渕浜阿部水産が栽培 あすから試食販売会

試食販売会に向けてキクラゲの様子を見る幸恵さん(奥)と妹の明美さん

 石巻市小渕浜の阿部水産が、カキやワカメの養殖を休業する夏場に栽培するキクラゲがリピーターを中心に人気を集めている。2019年に始め、5年目を迎えた。今季も商品を求める声が届き、確かな品質で安定した評価を得ている。7月1、2の両日はいしのまき元気いちば(石巻市中央2丁目)で、生キクラゲの試食販売会を実施する。

 漁業者がキクラゲ栽培に取り組むのは珍しく、東北地方では阿部水産だけ。小渕浜では夏にアナゴ漁などで生計を立てる漁業者が多いが、作業が比較的簡単なキクラゲに着目した。

 栽培するのは肉厚でコリコリした食感が特長で、白と黒の2色がある「アラゲキクラゲ」。刺し身や天ぷらで食されることが多く、白は筋肉の主材料であるアミノ酸「BCAA」が豊富。黒も栄養価が高く、薬膳や漢方にも使用される。

 作業は阿部祐二社長の妻幸恵さんと妹の明美さんが主に担当し、阿部社長や息子の優斗さんらも手伝う。毎日の温度や湿度の管理をはじめ、散水機を自作するなど、家族の力を結集して続けている。

 今年は成長が早く、乾燥キクラゲも並べる。幸恵さんは「昨年の販売会は2時間で終了し、認知されているのを実感した。限られた人数でやっているため生産量に限界があるが、多くの人に味わってほしい」と話している。

 元気いちばでの試食販売は午前11時から。黒と白色を混ぜたパック(540円)と、黒のみ(430円)を販売予定。なくなり次第終了。市内では他に小渕浜のフジマル佐藤商店、鮎川浜のホエールタウンおしか、恵み野6丁目の園芸店グリーンサムでも取り扱う。

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