(629)紫陽花ややがて地をふく風の前/松窓乙二(1756~1823年)
紫陽花(あじさい)は、じとじととする季節に目を楽しませてくれる。特に筆者が大好きなのは額紫陽花。雨なんか降っていると、可憐(かれん)に見えて仕方がない。別名「七変化」なんて言うけれど、この句は可憐さより、紫陽花という植物の強さが伝わってくる。遠くの空に湧き起こる黒々とした雲、そして近景の紫陽花。可…
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