(631)爆心地の闇も老いけり螢(ほたる)川/荒井千佐代(1949年~)
作者は長崎の被爆2世。「螢川」からは、原爆で何もかも失われてしまった地に、現在では蛍が明滅する小川があることが分かる。年月を経て新たな命が息づく場所となっている。蛍は、生命の再生や希望の象徴である。同時に「闇も老いけり」には、悲劇の闇が過去のものとして忘れ去られることの懸念も感じられる。時間の経過…
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- ・(630)Tシャツの干し方愛の終わらせ方/神野紗希(1983年~)
- ・(629)紫陽花ややがて地をふく風の前/松窓乙二(1756~1823年)
- ・(628)退屈をまだせぬ子供浮葉見て/星野立子(1903~1984年)
- ・(627)生き死にの死の側ともす落蛍/佐藤鬼房(1919~2002年)
- ・(626)茎右往左往菓子器のさくらんぼ/高浜虚子(1874~1959年)
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。