いしのまき食探見>トウモロコシ ゆでて焼いて夏味わう
海と山とで育まれる豊かな石巻地方の食材。伝わる文化と技を生かした郷土の「食」を紹介する。
トウモロコシ
夏。青々とした皮が付いたままのトウモロコシが店頭に並ぶ。ゆでて良し、焼いて良し。いろいろな食べ方がある。
いしのまき農協「やもととうもろこし生産組合」は1980(昭和55)年ごろ、トウモロコシの特産化を目指して発足。粒が黄色く、甘みが強い「ゴールドラッシュ」や「味来」、「ミルキースイーツ」を生産する。県内有数のトウモロコシ産地に成長した。
東松島市大曲でゴールドラッシュを生産する五野井盛夫さん(65)を訪ねた。4月ごろ種をまき、苗を育て始める。苗を定植する際、背丈が高くなって強風で倒れないように土を寄せる。ネットを張り、実を食べに来るタヌキなどから守る。手間は惜しまない。
父親から栽培を引き継ぎ、今年で4年目。五野井さんは「まだまだ完璧にはいかないが、勉強しながら作っていく」と意気込む。
組合員においしい食べ方を聞いた。やはりトウモロコシはゆでるのが一番だという。かぶりつくのが良い。大きな鍋がなくても電子レンジでも調理ができる。外側の皮を少し残しさっと水でぬらす。ラップに包んで500ワットに設定し約5分間、温める。鍋でゆでたものと同じように味わえる。
ゆでトウモロコシの実を芯からそぎ落とし、しょうゆとバターで炒め、ご飯の上にのせるのも格別。しょうゆとバターの香ばしさがトウモロコシの甘みを一層引き立てる。1人1本ではとても堪能し切れない。
(相沢春花)
<メモ>
いしのまき農協「やもととうもろこし生産組合」のメンバーは23人。6月下旬から8月末まで生産する。出荷は毎日平均約800キロ、ピーク時には3500キロに上る。組合産のトウモロコシは県内のスーパーを中心に販売される。
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