(642)金亀子(こがねむし)擲(なげう)つ闇の深さかな/高浜虚子(1874~1959年)
金亀子の名句の一つです。夜、金亀子が部屋の明かりにつられて入ってきました。わずらわしいので捕まえ外に投げますが、放り投げた先の暗闇は思ったよりも深く、虫は瞬く間に飲み込まれていきました。金亀子は2センチほどの甲虫で、日の下では丸みを帯びた体が金属のようにきらめきます。その羽の光沢と闇の対比もあるで…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。