(643)箱眼鏡外せば父も母もなし/土方公二(1948年~)
子どもの頃の川遊び、箱眼鏡で水中の世界を覗(のぞ)くことに時間を忘れて熱中していた。ふと我(われ)に返り箱眼鏡を外すと、近くで見守っていた両親の姿がない。そんな記憶から現在へ、いつの間にか老年となっている私。作者には<父母に永遠(とわ)の帰省子稲の花>の句もある。父母の元に居た少年は、故郷を離れて…
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