(645)滝をみたやつ立琴を一つづつ持って帰る/細谷源二(1906~1970年)
ぶっきらぼうに「滝をみたやつ」と言い放ちますが、続くのは見た人が立琴(たてごと)、すなわちハープを持っているということです。実物では不自然なので、きっと心の中にあるのでしょう。滝を見れば心に美しいハープが現れ、帰り道の途中でも、家に着いてからも、滝を思い出せば麗しい音を奏でます。それは一人ずつ違う…
関連リンク
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