(646)プラントの眠らぬ光夜釣船/髙橋亘(1942年~)
臨海工業地帯の、昼は重厚で無機質な工場群が、夜は作業用の照明により美しい表情をつくり出す。「夜釣(よづり)船」の暗い海との対比が幻想的だ。工場夜景の美しさは、背景に働いている人の息遣いが感じられるからではないか。作者が俳句を始めたのは69歳から。句集のあとがきに「見たもの、感じたものを真に表現しよ…
関連リンク
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