石巻川開き祭り 平和の祈り、流灯に託して ウクライナから避難のイリナさん記帳
石巻川開き祭り初日の4日夜、灯籠流しが石巻市の北上川で実施される。ロシアの侵攻が続くウクライナから同市に避難しているイリナ・ホンチャロヴァさん(64)は、戦争が続く祖国を思い「平和」の文字を灯籠に記した。
イリナさんは同市門脇町2丁目の西光寺で樋口伸生住職から流灯の趣旨について説明を聞き、賛同した。漢字で平和と書き、ウクライナ語でも「ウクライナ」「平和」と記帳した。「PEACE」の文字もある。
昨年2月の侵攻開始を受け、イリナさんは母親とともに同4月、長男がいる市内に身を寄せた。次男は今もウクライナにいる。
イリナさんは「私たちは石巻で平和に暮らしている。1番の願いはウクライナに平和が訪れ、帰れること」と語った。灯籠に文字を記す際に次男のことを思い浮かべたかを尋ねると「私は戦争中の全てのウクライナ人を心配しています」と気丈に話した。
川開き祭りでは古くから流灯が行われてきた。東日本大震災後は犠牲者を追悼する市民の灯籠が1万個以上流された。近年は数が減り、今年は約4000個が見込まれている。
今年は震災の十三回忌に当たる。樋口住職は「流灯の風景も参加する人の努力で作られている。行事の意味をもう一度考えてみてほしい」と話した。
灯籠への記帳は3日まで石巻商工会議所で受け付けている。
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