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石巻川開き祭り 催し多彩に 市民の一体感、今こそ

 100回記念の石巻川開き祭りは新型コロナウイルスによる行動制限が緩和され、主要行事への参加者は昨年より大幅に増える。節目の祭りを活気づけようと意気込むグループや取り組みを紹介する。

孫兵衛船

2連覇を目指して練習に励む富国工業チーム

<富国工業、世代を超えて連覇目指す>

 前回王者の富国工業は、経験豊富なベテランと若手の融合で連覇を目指す。20~50代の社員有志約30人が集結。前回の優勝メンバー中心のAと、若い世代などで構成するBの2チームで挑む。

 堀内大輝主将(26)は「先輩たちが築いてきた歴史があり負けられない。1位、2位を独占したい」と意欲を燃やす。

 勝利への貪欲な姿勢と長年培ってきた経験と技術が武器。「レジェンド」とたたえられるベテラン勢が伝える経験が、チーム力の底上げにつながっている。

 こぎ手最年長の平英人さん(54)は、病気から復帰し5年ぶりに出場する。「誰も塗り替えられないくらい連覇の記録を伸ばしたい」と意気込む。

大漁踊り

悪戦苦闘しながら振りを覚えるサークルメンバー

<国際サークル友好21、浴衣姿で花添える>

 石巻地方に住む外国人向けに日本語教室などを開いている「国際サークル友好21」は、大漁踊り初参加。浴衣姿の多国籍な集団が祭りを彩る。

 サークルメンバーは技能実習生や外国語指導助手(ALT)として来日した外国人で、出身はインドネシアやフィリピン、アメリカ、ペルーなどさまざま。当日はその友人や家族を含む50人以上が参加する。

 メンバーでロシアの侵攻が続くウクライナから石巻市内に避難しているイリナ・ホンチャロヴァさん(64)が昨年、大漁踊りに参加したことがきっかけとなり、サークル全体で参加することを決めた。

 参加者は3回の練習会で振りを覚えて本番に挑む。中国出身で来石30年になる三川小夜子代表も初参加だといい、「踊りは楽しいが難しい。浴衣を着るのもほぼ初めてでドキドキしている」と話した。

お化け屋敷

お化け屋敷の小道具を制作する青年会議所の会員ら

<背筋ヒヤリ? 楽しい悲鳴>

 第100回の記念事業として、かつての定番だった「お化け屋敷」が石巻川開き祭りに帰ってくる。一般社団法人石巻青年会議所が復活プロジェクトを立ち上げ、準備を進めてきた。

 震災までは長年、お化け屋敷が子どもらを楽しませていた。震災をきっかけに途絶えていたが、今回13年ぶりに復活する。

 コンセプトは過去(昭和)と現代(令和)のお化け屋敷の融合。双方の魅力を備え、幅広い世代が楽しめる内容にした。制作した衣装や小道具などは合わせて約50点。市桜坂高の美術部と有志の生徒、10~40代の市民ボランティアなど約40人も協力した。当日は裏方を含め約70人のメンバーが運営に当たり、来場者を迎える。

 プロジェクトの千葉隆太委員長(33)は「川開きならではの思い出として、祭りの原風景を体験してほしい」と語った。

 お化け屋敷は6日午前10時~午後4時、石巻市中央2丁目のみやぎ生協文化会館アイトピアホールで実施する。入場料は500円。

七夕飾り

七夕飾りを制作する石巻専修大の学生ら

<通りに46本、市民手作り>

 5、6の両日は市中心部のアイトピア通りに昨年の倍以上となる46本の七夕飾りが並ぶ。制作したのは市内の小中学校、金融機関、社会福祉協議会に加盟している福祉施設や、NPOなど計40団体。昨年まではアイトピア通りの商店会が中心に制作していたが、市民総参加で祭りを彩るため、実行委員会が広く各団体に制作を依頼した。

 材料の竹かごや花紙などは実行委が用意した。七夕飾りは基本は8色としたが、各団体の創意工夫により、吹き流しに折り紙作品を貼り付けたり、球体にキャラクターの顔を描いたりと、個性的な飾りが完成しているようだ。

 実行委の担当者は「アイトピア通りを通るパレードの出演者や来場者に喜んでもらえるような環境づくりをしたい」と語った。

花 火

<東北有数規模、再び ディズニーのドローンショーも>

 花火大会は震災前の会場だった北上川の開北橋下流で開催する。東北有数と言われた規模を復活させ、昨年より1万発多い約1万6000発を打ち上げる。

 安全確保に十分なスペースがあるため、豪華な演出が可能になった。石巻が発祥とされる水中スターマインや尺玉、ナイアガラなどの仕掛け花火が夜空を彩り、古里の発展や復興、平和への祈りを表現する。

 会場の河川敷などに約1300席の有料観覧席を設けた。無料観覧席は堤防の内陸側で、入場ゲートを開北小裏側と石巻消防署前の通り側の2カ所に設ける。有料、無料とも入場開始は午後2時。市総合運動公園や市住吉中などに有料、無料駐車場も用意する。無料駐車場は午後4時以降に入場できる。

 花火大会に先立ち、会場では東京ディズニーリゾートによるドローンショーも開かれる。東京ディズニーランドの開園40周年を記念して実施。700機のドローンが光を放ちながら上空を飛び、ディズニーソングに合わせてキャラクターなどを夜空に描き出す。

 ドローンショーに合わせ、開北橋北側の信号交差点から石巻商高付近までは午後5時から8時ごろまで立ち入りできなくなる。

ステージ

<藤巻さん特別ライブ ジャズやフラガールも>

 100回記念事業では、ミュージシャン藤巻亮太さんの特別ライブが5日夜、中瀬公園で開かれる。震災直後からボランティアをするなど石巻地方と縁がある藤巻さんが駆け付け、野外ライブを繰り広げる。入場無料で定員約1000人。事前か当日の申し込みが必要。

 かわまち交流広場では多彩なステージイベントを3日間開催する。特別ステージでは、4日は「安田ミュージックオフィス」(仙台市)のナイトジャズコンサートがあり、初日の夜を盛り上げる。

 5日はスパリゾートハワイアンズ(いわき市)のフラガールとファイヤーナイフダンス、航空自衛隊中部航空音楽隊などが出演。影山ヒロノブさんや遠藤正明さんらアニソン歌手によるコンサートもある。

 最終日は石巻市出身のダンサー武藤真也さんが総勢200人によるパフォーマンスを披露する。

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