サンマ、昨年並み不漁か 研究機関が今季見通し 近海来遊量望めず
今季のサンマの主な漁場は8~9月にかけて千島列島沖の公海に形成され、10月以降も三陸海域を含む日本近海にはほとんど来遊せず、来遊量は不漁だった昨年と同水準になる見通しだ。7月31日に県水産技術総合センター(石巻市渡波)であった本年度のさんま漁業研修会で示された。
国立研究開発法人水産研究・教育機構の水産資源研究所が6~7月に実施したサンマの表層トロール調査では、推定分布量の合計値は94万トンで、昨年の117万トンを下回った。漁獲の主体となる1歳魚の推定分布個体数の割合は30.5%で、昨年の22.9%を上回った。
県水産技術総合センター環境資源チームの伊藤博上席主任研究員は「不漁は海水温の上昇やサンマの餌となるプランクトンの減少など複合的な要因が考えられる。捕れる個体は110グラム~120グラムと昨年より太っているサンマが多い予想」と話した。
研修会は4年ぶりに対面で開催。県内の水産加工業者や市場、自治体関係者ら34人が出席した。伊藤上席主任研究員が今季のサンマの漁況見通し、鈴木貢治(みつはる)主任研究員が東北地区の海況の動向を説明した。
阿部長商店渡冷(石巻市魚町1丁目)の平塚一義工場長は「不漁に加えガソリン価格の高騰もある。サンマの売り上げを他の魚で補完するのは難しい。この先5~10年も今のような不漁が続けば終売もあり得る」と話した。
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