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光太郎の生涯に思い 女川で「祭」、4年ぶり 県内外からファン30人

光太郎が残した詩を朗読する参加者

 戦前に女川町を訪れ、紀行文や詩を残した詩人で彫刻家の高村光太郎(1883~1956年)をしのぶ第32回女川「光太郎祭」(女川・光太郎の会主催)が9日、同町まちなか交流館であった。新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの開催。県内外からファンら約30人が参加し、詩の朗読などを通し、光太郎の生涯に思いをはせた。

 朗読には、女川町を含む東北と東京の中学生から大人まで10人が参加。ギタリスト宮川菊佳さんの奏でるギターの生演奏に合わせ、妻智恵子への愛をうたった「レモンの哀歌」や「あどけない話」などを感情を込めて披露した。

 光太郎の晩年にスポットを当てた記念講演もあった。高村光太郎連翹(れんぎょう)忌運営委員会の小山弘明代表が、作家太宰治の実兄で青森県知事だった津島文治が光太郎に制作を依頼したという彫像「乙女の像」について解説した。

 「制作時、智恵子と同じく肺結核になったが、助手の力を借りて完成させた。その後、住まいのある岩手県に帰郷した際には新聞で報じられるなど、多くの人に愛される作家として最後を迎えた」と話した。

 光太郎は1931年に三陸沿岸を巡る旅で女川を訪れ、数々の詩歌などを残した。光太郎祭は地元有志らが主催し、92年から開催。町海岸広場には文学碑が設置されている。

 光太郎の会の須田勘太郎会長は「コロナ下では献花だけで、さみしさがあった。毎年8月9日に集うことで、先人の思いをつないでいきたい」と語った。

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