(662)踊り子の妻の流れてゆきにけり/西村麒麟(1983年~)
俳句で「踊」と言ったら、それは盆踊りのこと。妻が踊りの輪の中に流されてゆく。群衆の中の一人となっても、妻のことは一目でわかる。ずっーと追ってゆく目の動きまで想像される。情の濃い句だ。明治以前の盆踊りには、男女の出会いの場という側面もあったという。歴史的な連想も過(よ)ぎる「流れてゆきにけり」には、…
関連リンク
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- ・(660)夏帽子うつむいて鼻うつくしき/大串章(1937年~)
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- ・(658)心太(ところてん)一本づつは曇らずよ/小山玄紀(1997年~)
- ・(657)絶対に泣かない迷子西日中/今井聖(1950年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。