(663)青大将その重心を山に置き/和田悟朗(1923~2015年)
以前、蛇が直角の壁を越える様子に、しばらく見入ったことがありました。50センチほど植え込みの囲みがあり、蛇は体を垂直にし、重心を体の真下に置いたまま、慎重に慎重に上へと進んでいました。筋力の強さと骨の精緻さ、繊細な動きに感動したものです。この句の青大将も、尾の重心を山に置き、里に向かって身をもたげ…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。