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(664)箸置に箸八月十五日/川崎展宏(1927~2009年)

 箸置きと終戦日が一句の中に対比されている。箸置きの象徴するのは庶民の日常であり、終戦日は戦争の記憶。家族と食卓を囲むことのできる平和と戦争は、紙一重と言っているようだ。前半7音、後半9音の破調句だが、「箸置に箸」の後に無言の一拍がある。少年時代の太平洋戦争の体験が忘れられないという作者の、犠牲者の…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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