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「おかえり」 亡き人へ思い 卒業生ら、灯籠ともす 震災遺構・大川小

震災前に児童が探して遊んだ四つ葉のクローバーの形に並べられた紙灯籠

 東日本大震災の津波で児童と教職員計84人が犠牲となった石巻市の震災遺構「大川小」で13日、紙灯籠に明かりをともして犠牲者に思いをはせる「おかえりプロジェクト」があった。

 卒業生らでつくる「Team(チーム)大川 未来を拓(ひら)くネットワーク」が主催し、昨年に続き2回目。発光ダイオード(LED)照明に和紙をかぶせた灯籠360個を校庭などに並べ、「おかえり」の文字を暗闇に浮かび上がらせた。

 灯籠には訪問活動で交流した北海道や福岡県などの中高生らから寄せられた「心ひとつに」「世界平和」といったメッセージが書かれた。運営メンバーや地域住民がハスの花をあしらって作ったランタンも校庭を優しく照らした。

 震災以後交流する聖学院大(埼玉県上尾市)の学生有志21人が初めて運営に参加。手形や足形でアート作品を作る企画や、ピアノとオカリナなどのコンサートもあった。

 長男と長女が旧大川小の卒業生だという石巻市の団体職員高橋正子さん(60)は「楽しい思い出の場所を明るく照らしてくれてうれしい。またがんばろうと思えた」と話した。

 チーム大川代表で震災当時5年生だった只野哲也さん(23)は「子どもたちが参加してくれてうれしい。思いをはせる時間をつくることに加え、遊びに来る気分で楽しんでもらい、大川小にまた来たいと思えるようなイベントとして続けたい」と語った。

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