(665)ぽんぽんだりあ ぱんぱんがある るんば・たんば/高柳重信(1923~1983年)
平成生まれの私は、ポンポンダリアから「ぱんぱん」という音が聞こえるようだ、という楽しい言葉遊びの俳句だと思っていた。だが実際には、「がある」はgirl、つまり「ぱんぱんがある」は米兵相手の娼婦(しょうふ)のこと。ひらがなで強調された皮相の音の楽しさは、戦後の風景へのニヒルな眼差(まなざ)しによるも…
関連リンク
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- ・(661)盆灯籠消さずに眠る母あかり/上田玲子(1941年~)
- ・(660)夏帽子うつむいて鼻うつくしき/大串章(1937年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。