(676)桃冷す水しろがねにうごきけり/百合山羽公(1919~2002年)
子どもの頃、井戸水を流しながら野菜や果物をいろいろ冷やしていた。水の中に鮮やかな色が踊るのが楽しかった。それぞれに特徴があるが、桃は皮の表面に産毛のような細かい毛がびっしり生えていて、これが水の中で気泡を含み白銀(しろがね)色になる。その桃が流水にゆっくりと回っているのだろう。漢字とひらがなのバラ…
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- ・(672)透明や皮より葡萄出づるとき/野名紅里(1998年~)
- ・(671)水鏡のタワマンに棲む海月たち/星野愛(1980年~)
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。