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木彫家 高橋英吉の功績に光 「石巻学プラスワン」 官民一体の顕彰運動学ぶ

1970、80年代に起きた高橋英吉を顕彰する市民運動について話す鈴木さん(右)。左は聞き手の大島さん

 石巻の魅力を探る場づくりイベント「石巻学プラスワン」が25日、石巻市立町2丁目のラ・ストラーダであり、同市が生んだ不世出の木彫家・高橋英吉(1911~42年)を巡って1970~80年代に街中で起きた市民運動に光を当てた。

 イベントは「生きている高橋英吉」をテーマに特集を組んだ地域誌「石巻学」第8号の発売に合わせて企画された。

 トークゲストは同市在住の地域ジャーナリストで元三陸河北新報社記者の鈴木孝也さん(74)。ガダルカナル島で戦死した英吉を顕彰する運動が官民一体で盛り上がった70、80年代の石巻について、取材体験を基に紹介した。

 当時、市民の寄付で英吉をモデルにした映画「潮音・ある愛のかたみ」が完成し、その草の根運動が評価されてサントリー地域文化賞を受賞したことに触れながら、鈴木さんが強調したのは3人のリーダーの存在。「英吉のいとこ稲井善次郎さん、石巻芸術協会を設立した石島恒夫さん、英吉の旧制石巻中(現石巻高)時代の後輩だった橋本晶さん。この3人が力を合わせた結果、市民が一丸となった英吉顕彰運動につながった」と指摘した。

 会場は用意した椅子が埋まるほどの熱気で、改めて英吉に対する市民の関心の高さを示した。

 同市向陽町の団体職員豊原みどりさん(61)は「生活に根差した生命力ある英吉の作品が好き。石巻学での特集をきっかけに英吉作品がさらに広く知られるようになってほしい」と期待した。

 石巻学プロジェクト代表の大島幹雄さん(70)=横浜市=は「今も英吉は市民の心の中に生きていることを実感した」と語った。

 英吉作品を常設する市博物館(同市開成)が開館2周年に当たる11月3日、英吉に関するイベントを企画していることも話題になった。

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