石巻出身・書家 嵯峨大拙さん遺作、上品の郷に展示 妻の翔葉さん寄贈
2021年に70歳で亡くなった石巻市出身の書家、嵯峨大拙(たいせつ)(本名瑞雄(みつお))さんの作品2点が同市小船越の道の駅「上品の郷」に寄贈され、展示されている。大拙さんが生前によく通った施設だといい、妻で書家の翔葉(本名嘉代子)さん(70)=石巻市大街道南5丁目=は「思い出の場所に飾ることができ、喜んでいると思う」と話した。
大拙さんは墨象・前衛書作家として活動。河北書道展審査会員や宮城野書人会会長などを務めた。生前は翔葉さんと共に上品の郷を月2~3回ほど訪れていたという。
寄贈した作品のうち、05年に「現代の書 新春展」(毎日新聞社主催)に出展した「センティア 洗練された空間-感じる場所」は温泉施設「ふたごの湯」に展示。全てがつながっていることをイメージした「アラウンド-無限-」は農産物直売所「ひたかみ」に飾られている。
どちらの作品も大拙さんの心の中の表出を書に映し出した。絵のようで読まない、読めない書には固定の情報がないという。翔葉さんは「見た人の感性のままに書を楽しんでほしい」と呼びかける。
9月には大拙さんの弟子らがしのぶ会を市内で開き、大拙さんの作品を持ち寄って思い出話をする。今後は遺墨展の開催も考えており、個展を開きたいと思っていた大拙さんの願いをかなえるつもりだ。
市河北総合センターにも14年に制作した「覚醒-爆発」が寄贈され、文化交流ホールのロビーに展示されている。ふたごの湯の作品鑑賞には入館料が必要。
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