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(677)稲妻や牛かたまつて草の原/大須賀乙字(1881~1920年)

 初秋の夜、遠い空に走る稲光。放牧している牧場であろう。牛たちは、夜の原っぱの一隅に寄り集まって眠っている。瞬間、稲妻。牛の群れが雷の一閃(いっせん)のうちにくろぐろと浮かび上がる。ほのぼのした夜の山の景を稲妻が爽やかに照らす。稲妻の鋭い光に対して山の闇がやさしい。激しい稲妻の描写なのに、牧歌的な雰…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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