(678)木も草も世界みな花月の花/上島鬼貫(1661~1738年)
木や草を指して、全部が花だ、月の花なんだと詠(うた)っています。月の明るい夜に、草の先が光を反射してきらきらと揺れていることがあります。見上げれば木の葉も見たことのない色で揺れ、世界全部が月の光を灯(とも)して、花が咲いたような幻想的な風景をつくっているのです。ところで「世界」という言葉は仏教用語…
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