木質バイオマス発電所 今月、運転開始予定 発電出力は国内最大規模 石巻・潮見町
再生可能エネルギー事業を手がけるレノバ(東京)などが石巻市潮見町に整備を進めていた「石巻ひばり野バイオマス発電所」が、9月中にも営業運転を開始する。輸入の木質燃料を使用し、発電出力は約7万5000キロワットで、国内最大規模を誇る。年間発電量は一般家庭17万世帯分に相当する5億3000万キロワット時を想定する。
敷地面積は、発電所用地と燃料置き場を合わせて約8・5ヘクタール。木質燃料を燃やして蒸気を作り、タービンを回転させ発電する仕組み。冷却方式は水を使う「水冷式」が一般的だが、空気で冷やす「空冷式」を採用した。海洋環境に配慮し、海への排水を最低限に抑えた。24時間稼働し、東北電力に売電する。
燃料は、北米や東南アジアから輸入する木質ペレットとパームヤシ殻を活用。年間計約32万トンを、石巻港雲雀野中央埠頭(ふとう)や北埠頭から発電所へ運搬する。将来的には県産未利用材の木質チップの活用も見込む。
事業は、レノバと東京ガス(東京)、ユナイテッド計画(秋田)、みずほリース(東京)が出資した合同会社「石巻ひばり野バイオマスエナジー」が担う。
施設は2020年10月に着工した。22年10月に試運転を始め、間もなく営業運転開始の準備が整う。
市内外の小中学生をはじめ一般の施設見学も受け入れ、再生可能エネルギーに親しんでもらう。細見裕己発電所長は「ここで事業ができるのは地域の皆さんのおかげ。感謝しながら地域とともに発展していきたい」と語った。
レノバは2000年設立。バイオマスのほか太陽光や風力発電事業などを手がけ、建設中を含め国内外に発電施設を展開する。県内では、仙台市宮城野区蒲生に木質バイオマス発電所を整備中。
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