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石巻出身の人権派弁護士・布施辰治 顕彰する会が碑前祭 功績を伝承

顕彰碑の前で、布施の功績を紹介する松浦会長(中央)

 石巻市蛇田出身の弁護士布施辰治(1880~1953年)の功績をしのぶ「碑前(ひぜん)祭」が9日、顕彰碑がある同市あけぼの2丁目のあけぼの南公園であった。功績を伝える市民団体「布施辰治を顕彰する会」が主催し、会員や布施の親族ら約70人が参加した。

 顕彰する会の松浦健太郎会長は「布施は『生きべくんば民衆と共に 死すべくんば民衆のために』を座右の銘にしていた。人権意識に基づいた行動や良心には学ぶことが多く、今の社会にも必要な理念だ」と強調した。

 1日で関東大震災の発生から100年がたった。布施は震災後の流言によって朝鮮人や労働運動家らが虐殺された事件を調査。真相究明や責任追及のため、他の弁護士と共に被害者らに聞き取りを行い、行方不明となっていた犠牲者の捜索を当時の警視総監に要望した。

 出席した駐仙台韓国総領事館の趙允彗副総領事は「韓国では、戦前日本の植民地統治時代に朝鮮の人々の弁護に当たった功績を紹介する番組が制作されたこともある。布施は日韓の友好関係をつなぐ架け橋のような存在だ」と語った。

 碑前祭の後には、布施辰治研究家の森正名古屋市立大名誉教授の講話も同市魚町2丁目の市水産総合振興センターであった。

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