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福島第1原発・処理水放出 東電、あす初回完了見通し 点検後、2回目実施へ

 東京電力福島第1原発にたまる処理水の海洋放出で東電は8日、本年度予定する4回のうち初回分7800トンを11日に流し終える見通しを示した。完了後、3週間程度かけて設備全体を点検し、10月以降とみられる2回目の放出に備える。

 東電によると10日午後、タンクからの処理水移送量が7800トンに達する予定。移送を停止し、11日に配管内に残った処理水を流して放出が完了する。

 その後、海水で希釈した処理水を放出前にためる大型水槽を空にし、壁面や底面の状況などを点検。初回の運用を検証し、手順の改善も検討する。

 海洋放出は本年度、3万1200トンを7800トンずつ4回に分けて進める。放出初日だった8月24日は183トン、以降は毎日456トンを34万トンの海水で740倍以上に薄めて流した。

 東電は7日、処理水移送配管の10カ所に設置した漏えい検知器のうち、1カ所で6日夕に反応があったと発表した。漏出はなく、雨水や結露の影響とみられるが、原因を調べる。

 処理水に含まれる放射性物質トリチウムの海水分析に関し、東電は原発から半径3キロ以内の10地点で、結果を迅速に得るため検出限界値を1リットル当たり10ベクレル程度に上げて毎日行っている。これまでの最高値は、処理水放出口に最も近い地点で8月31日に採取した海水から検出した1リットル当たり10ベクレルだった。

 東電は「現時点でトラブルはなく、計画通りに放出できている」と説明する。

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