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福島第1原発 処理水放出開始、初日は200トン 完了まで30年

 東京電力は24日、福島第1原発にたまり続ける処理水の海洋放出を始めた。2023年度に放出する3万1200トンのうち、初回分として約7800トンを24時間体制で流し、9月10日にも終える。年度内に残り3回を計画し、放出される放射性物質トリチウムは計約5兆ベクレル分。計画では、第1原発の廃炉完了目標とする2051年まで30年程度流し続ける。

 東電は処理水約1トンを海水約1200トンで希釈し、トリチウム濃度が放出基準の1500ベクレルを大幅に下回る最大63ベクレルと確認したのを受け、午後1時3分に放出作業を開始。約10分後には希釈用の大量の海水とともに大型水槽から立て坑に入り、午後1時半過ぎには、海底トンネルを通って約1キロ沖合の放出口に届き、処理水が海に流れたとみられる。

 東電の放出計画によると、1日当たり約460トンの処理水を約34万トンの海水で薄めて流す。初日の24日は約200トンを放出予定。

 東電の小早川智明社長は「廃炉完了まで風評を生じさせず、信頼を裏切らない決意と覚悟を持って対応する。正しい行動と実績の積み重ねが地元の信頼につながり、信頼がベースとなって初めて復興と廃炉が両立する」と語った。

<反対は変わらず>

 寺沢春彦県漁協組合長は24日、坂本雅信全漁連会長と連名で「海洋放出に反対であることは変わらない。国は安全性確保などを通じ、漁業者をしっかり支えてほしい。既に発生している風評被害への速やかな対応を強く求める」とのコメントを出した。

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