石巻・須江バイオ発電計画 2市で住民説明会、議論は平行線 安全性に懸念の声
石巻市須江の山林に液体バイオマス発電所の建設を計画している「G-Bio(ジーバイオ)イニシアティブ」(東京)は10日、同市蛇田公民館で住民説明会を開いた。来年1月ごろの着工を目指す考えを示したが、住民からは安全性を懸念する声が相次ぎ、議論は平行線をたどった。
ジー社は使用燃料を巡り2月に経済産業省から改善命令を受け、7月に修正版の環境影響評価書を公表。県の条例に基づく手続きの一環として、修正内容の説明会を設けた。須江地区住民らを中心に約70人が集まった。住民説明会は東松島市でも9日に行った。
ジー社はこれまで使用燃料を再生可能エネルギー固定買い取り制度(FIT)の認定を受けたパーム油ではなく認定外のポンガミア油と一貫して説明してきたが、修正版では「パーム油またはFIT認定された場合はポンガミア油を使用する」と変更。両燃料とも悪臭などは発生せず、環境影響評価の結果は変わらないと強調した。その上で「使いたいのはポンガミア油。運転開始まで認定取得の努力を続ける」と説明した。
8月に実施した燃料輸送車の試験走行の結果も報告した。渋滞発生の恐れがあるとして道路管理者らと協議する方針を示し、安全対策は「危険予知に最大限配慮する」などと述べるにとどまった。
参加した須江の会社員千葉馨さん(36)は「いつもと同じで不安だけが残った。着工すれば須江は寂れてしまうのではないか」とため息をついた。
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