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(691)露の世に母の粥(かゆ)炊くうれしさよ/橋本榮治(1947年~)

 秋は昼夜の気温差が大きく露が出やすい。露は日差しとともに消えることから、古くから儚(はかな)いものの象徴として詠(うた)われてきた。この句の「露の世」は、高齢の母の余生は長くないことを思わせる。そんな中、弱火で時間をかけて、母に粥を炊いてあげられるのはなんと有り難くうれしいことかと思う。作者が幼い…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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