(691)露の世に母の粥(かゆ)炊くうれしさよ/橋本榮治(1947年~)
秋は昼夜の気温差が大きく露が出やすい。露は日差しとともに消えることから、古くから儚(はかな)いものの象徴として詠(うた)われてきた。この句の「露の世」は、高齢の母の余生は長くないことを思わせる。そんな中、弱火で時間をかけて、母に粥を炊いてあげられるのはなんと有り難くうれしいことかと思う。作者が幼い…
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