秋の交通安全運動きょうスタート 石巻市で出陣式 園児宣言「約束守る」
秋の交通安全県民総ぐるみ運動が21日に県内で一斉に始まるのを前に20日、石巻市の交通安全運動出動式が同市成田小塚のコメリハード&グリーン宮城河北店駐車場であり、出席者は運動に取り組む決意を新たにした。
運動の重点は歩行者の安全確保や夕暮れ時と夜間の交通事故防止、自転車のヘルメット着用。山田正弘河北署長は「石巻の交通死亡事故は昨年より減っているが、県内では大幅に増えている。道路を利用する一人一人が交通安全に努め、悲惨な事故を一件でも抑止したい」とあいさつした。
出動式には河北地区交通安全協会など25団体の関係者ら165人のほか、北上町十三浜の市相川保育所(園児9人)の年長児3人も参加。佐々木彪跳(あやと)ちゃん(6)と佐藤瑠架ちゃん(6)、武山英怜奈(えれな)ちゃん(6)が「みんなの約束、僕たち私たちは、右見て左見て車が来ないことを確認して、安全に道路を渡ります」と宣言した。
山下哲哉河北署交通課長が指揮を執り、パトカーや広報車など13台が警戒や広報活動に出動した。
市交通安全都市推進協議会会長を務める斎藤正美市長が「事故は当事者だけでなくその家族までも不幸にしてしまう。ヘルメットやシートベルトの安全な着用に取り組んでいきたい」と述べた。
【運動の重点】
▼子どもと高齢者をはじめとする歩行者の安全の確保
▼夕暮れ時と夜間の交通事故防止および飲酒運転等の根絶
▼自転車等のヘルメット着用と交通ルール順守の徹底
自転車ヘルメット着用、地道に呼びかけ
改正道交法(4月1日施行)で自転車乗車時のヘルメット着用が全世代に努力義務化されて間もなく半年。メディアを中心に話題になった半面、定着への道のりはまだ遠いようだ。
石巻署が管内の中学校、高校に行った電話調査によると、中学校は各校着用を義務にしているため着用率は100%。一方、高校は多くの学校で0%で、合計で0.7%にとどまった。
自転車で通学する高校生で着用していない生徒に理由を尋ねた。
石巻高の3年男子(17)は「暑い日に蒸れるのが嫌」、1年男子(16)は「違和感があり、邪魔」と、着用に伴う不快感を挙げる。桜坂高2年女子(16)は「今まで着けていなかったから(着けなくて)いいかなと思う」話した。
学校側は着用の呼びかけはできるが、強制はできない現状にある。石巻高では年1回の交通安全講話のほか、春秋の交通安全運動期間中には駐輪場で着用を呼びかけている。生徒指導・交通安全担当の星野翔(つばさ)教諭(26)は「絶対着用しなければいけない法律ではないため、呼びかけにとどまってしまう。命に関わることなので、もどかしく難しい」と胸の内を明かす。
着用定着に向け、2市1町の交通安全推進協議会は合同で、航空自衛隊松島基地(東松島市)の曲技飛行チーム「ブルーインパルス」とコラボしたヘルメット着用を呼びかけるポスターを600部作成。学校や自転車販売店を中心に配布する。
石巻署の武内和也交通課長は「着用は個人の意識次第。ポスターをきっかけに意識が芽生えれば」と期待する。
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