(699)流れ星私はゆつくりと動く/細谷喨々(1948年~)
因果関係のない語を並べて作る俳句を、二句一章や二物衝撃と言います。二つの言葉の本質的な相似や正反対な部分を探し、コントラストを楽しむ句です。流れ星は秋の澄んだ空をよぎる光です。対して地上の私はゆっくりと動いています。天と地にある物、一瞬とゆっくりという時間が対比されます。天空の流れ星のように私は速…
関連リンク
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- ・(697)駅弁に輪ゴムがひとつ秋の山/山口昭男(1955年~)
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- ・(695)枝豆ヤ三寸飛ンデ口二入ル/正岡子規(1867~1902年)
- ・(694)職歴にやまひは書けず水の澄む/土井探花(1976年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。