(700)歩くとは心澄みゆく秋遍路/杉本光祥(1938年~)
四国の遍路道は約1400キロ、歩くと約40日を要する。白装束に身を包み、祈願のため寺々を巡る。単に遍路といえば春の季語だが、秋に巡るのを「秋遍路」という。道中華やかな春に比べて、人生の秋を迎えた人の心の旅のように感じられる。歩くことは自分と向き合い、見つめ直す時間。一心に体を動かすうちに心が澄んで…
関連リンク
- ・(699)流れ星私はゆつくりと動く/細谷喨々(1948年~)
- ・(698)狼星をうかゞふ菊のあるじかな/宮沢賢治(1896~1933年)
- ・(697)駅弁に輪ゴムがひとつ秋の山/山口昭男(1955年~)
- ・(696)星がおちないおちないとおもう秋の宿/金子兜太(1919~2018年)
- ・(695)枝豆ヤ三寸飛ンデ口二入ル/正岡子規(1867~1902年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。