(701)いろはにほへの字なりける薄かな/西山宗因(1605~1682年)
声に出して読みたい俳句、眼(め)で見て楽しみたい俳句、筆者の中でのどっちのランキングにも上位に入る。俳諧の味だ。「とちりぬるを」はどこに行ったか? それは分からないけれども、たしかに文字の形も撥音(はつおん)もやわらかくて、いかにも薄(すすき)の原っぱという感じがあるのは「いろはにほへ」までの感じ…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。