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石巻出身の彫刻家高家さん大作、「新制作展」で注目 来月2日まで・東京

野外に展示されている大作「風を斬る」。鑑賞に訪れた美術愛好家に説明する高家さん(左)

 日本の代表的な美術団体・新制作協会による「第86回新制作展」が、10月2日まで東京都・六本木の国立新美術館で開かれている。石巻市出身で同協会彫刻部会員の高家理さん(55)=福島県川俣町=が、高太石(花こう岩)の素材を生かした大作「風を斬る」を出品し、美術ファンの目を楽しませている。

 新制作展は(1)絵画(2)彫刻(3)スペースデザイン-の3部門で、会員と一般公募の作品で成り立つ国内でも有数の美術展。

 3部門合わせて約600点が展示されているが、ひときわ異彩を放っているのが野外に設置された高家さんの作品「風を斬る」。工房近くの石切り場跡地にある高太石と呼ばれる巨石を削り制作した。

 高さが3メートル(横1メートル30センチ、奥行き1メートル40センチ)もある大作で、入場者は見上げる格好で鑑賞する。重さも3トンあるが、真ん中をくりぬいて工夫、風の通り道を作ったため軽やかな印象を与えている。

 高家さんは「近くの崖からおもちゃの飛行機を飛ばしたら、風に流されるのでなく風に向かって飛んでいる。風を斬って軽やかにパワーを得ながら上昇している。そのイメージを作品に込めた」と話す。

 開場時間は午前10時~午後6時(最終日は午後2時まで)。入場料は一般800円。学生・65歳以上は無料。

 巡回展が京都(10月31日~11月5日、京都市京セラ美術館)、名古屋(11月14~19日、愛知県美術館)である。

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