若宮丸漂流民・善六、数奇な運命 ラジオドキュメンタリー聴き思いはせる 石巻
230年前に難破し、ロシアに漂着した石巻の千石船若宮丸の乗組員善六の足跡を追ったラジオドキュメンタリー番組「われにナジェージダ(希望)あり~石巻漂民キセリョーフ善六~」を聴く会が24日、石巻市のかほくホールで開かれた。約30人が善六の数奇な運命に思いをはせた。
番組は東北放送制作の約50分。1995年に放送され、ロシア国籍を得た善六の足跡を検証した。善六はロシア側の通訳となり、ロシア人ニコライ・レザーノフによる「露日辞典」の編集に協力。和訳からは往時の石巻の方言、発音が分かることなどを紹介した。
仙台市太白区から訪れた男性(77)は「大昔の日本語の発音が分かるなど、勉強になった。若宮丸の話を詳しく知ることができた」と話した。
番組の取材過程は石巻市生まれのノンフィクション作家大島幹雄さんが「石巻かほく」に連載している。
■来月、足跡たどる旅
石巻若宮丸漂流民の会が主催。同会などは10月7日、善六が再びロシア側通訳として祖国日本の土を踏んだ北海道函館市で、足跡をたどるツアーを開催する。
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