シカと勢子、真剣勝負 秋の伝統「角切り」に250人歓声 石巻・金華山
石巻市の離島・金華山の鹿山公園で1日、秋の伝統行事「鹿の角切り」があった。捕獲に当たる勢子(せこ)と駆け回るシカの攻防に、固唾(かたず)をのんで見守る観客約250人から歓声が上がった。
市内の勢子団体「鹿友華角会(ろくゆうかすみかい)」の会員と金華山黄金山神社の職員、石巻専修大の学生ボランティアら計約25人が参加。島内に生息する雄ジカ11頭を角切り場に放ち、勢子が1頭ずつ竹ざおで追い込み、角をつかんだり投げ縄を使ったりして捕獲。神社職員がのこぎりで角を根元から切り落とした。
角切りは、秋に発情して気性が荒くなる雄ジカが、参拝客らに危害を加えないようにするため、1963年に始まった。
華角会の斎藤克彦会長(52)は「東日本大震災前のにぎわいにまでは戻っていないが、ここ数年で1番の客入り。伝統行事を今後も盛り上げたい」と語った。
家族と来た仙台市太白区の中田小2年鈴木仁菜さん(8)は「素手でシカの角を捕まえていて驚いた。迫力があって楽しかった」と話した。
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