バレエ文化広めたい 石巻と女川の教室、初の合同発表会 400席、ファンで満員
石巻市と女川町にある二つのバレエ教室が1日、初の合同発表会を町生涯学習センターホールで開催した。東日本大震災後、地元教室による公演は途絶えていただけに、約400席ある会場は待ち望んでいたファンらでほぼ満員となり、熱気に満ちた。石巻地方には昭和30年代ごろからバレエの土壌が育まれてきた歴史があり、発表会はバレエ文化を継承する形になった。
合同発表会を開いたのは石巻市のNバレエスクール(主宰・佐藤範子さん)と女川町のバレエスタジオプリューム(主宰・小松未羽さん)。4歳から60代までの生徒約30人がそれぞれソロやグループで「くるみ割り人形」や「白鳥の湖」などを披露した。和太鼓との共演もあり、工夫を凝らした演出で魅了した。男女2人で踊るグラン・パ・ド・ドゥでは大阪を拠点に活動するバレエダンサー伊藤大地さん(31)がゲストで出演し、観客を華麗なバレエの世界に誘った。
伊藤さんを相手に伸び伸びと踊った石巻市稲井中1年の渡辺のいさん(13)は「バレエは3歳から習っている。楽しかった」と声を弾ませた。伊藤さんは「アットホームな雰囲気で気持ち良く踊れた。これを機会にバレエを通して石巻や女川の人たちとつながりたい」と語った。
初の本格的な発表会は主宰の佐藤さんと小松さんにとっても大きな意味があった。2人の恩師は1957(昭和32)年、市内に石巻バレエ研究所を開設し、石巻地方にバレエ文化を根付かせた佐東悦子さん(1932年生まれ、大崎市)。佐藤さんは「先生の思いを受け継いでいきたい。バレエ文化を石巻地方に育て、広めたい」と誓った。
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