気分は浮世絵職人、江戸時代の刷りを体験 石巻博物館で特別展、29日まで
浮世絵版画の刷りを江戸時代当時の手法で実演、体験するワークショップが9月30日、石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)であった。約20人が参加し、浮世絵職人の技巧を学んだ。
同施設内にある市博物館で開催中の特別展「学んで、旅して、たのしむ浮世絵」に合わせて開催した。伝統的な木版画技術で浮世絵を制作するアダチ版画研究所(東京都)の中山周社長らが講師を務めた。
実演では、職人が色や図ごとに分かれた版木数枚を使い、葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景・神奈川沖浪裏」を鮮やかに刷りあげた。間近で見守る参加者は絵が加わるたびに「おお」と感嘆を漏らした。
参加者は小型の版木で刷りを体験した。紙がずれて線がぶれ、色の濃さがふぞろいになるなど浮世絵の繊細さを実感した。家族4人で参加した石巻市開北小2年の菅野樹君は「波が出てきた!」と笑顔。「もっといろんな浮世絵を刷ってみたい」と話した。
特別展は10月29日まで。15日には仮想現実(VR)で浮世絵を楽しむワークショップが複合文化施設アトリエであり、浮世絵の繊細な線や和紙の質感を間近に鑑賞できる。時間は午前10時半と午後2時の2回で、各回定員10人。参加無料で要予約。
観覧料は一般800円、高校生600円、小中学生400円。開館時間は午前9時~午後5時(入館受け付けは午後4時半まで)。毎週月曜休館(当日が祝日の場合は翌日)。連絡先は市博物館0225(98)4831。
関連リンク
- ・描く楽しさ知る「ヒトコマ」に マンガ創作・交流拠点が誕生 石巻・中央
- ・水の大切さを表現 コンクール特選の小中学生を表彰 石巻地方広域水道企業団
- ・流留渡波の塩田、郷土史家鈴木さんが解説 「仙台藩の命で技術導入」 来月、第2弾
- ・色彩模様いしのまき <赤> 秋の日差しに燃ゆる花 ヒガンバナ(石巻市真野)
- ・きらめく彩りで魅了 ステンドグラス教室が作品展 あすまで、石巻・ナリサワ