流留渡波の塩田、郷土史家鈴木さんが解説 「仙台藩の命で技術導入」 来月、第2弾
石巻市のNPO法人石巻アーカイブは、地域の歴史を学ぶ講演会「奥州仙台領国流留渡波塩田史」を同市中央2丁目の市かわまち交流センターで開いた。理事で郷土史愛好家の鈴木紀男さん(82)が、かつて流留、渡波地区にあった塩田について紹介した。
約20人が参加。講演会は、130年前に京都の展覧会に出品されていた塩田の絵図が市内の民家で発見されたことから企画された。今回は第1弾で、江戸時代の塩田の姿や塩をどのように製造していたかなどを歴史的背景を交えて解説した。
鈴木さんは渡波から流留にかけて広がっていた約70万平方メートルの塩田について、仙台藩の命を受けた百姓の菊池与惣右衛門(きくちよそうえもん)が1625年、武州(現在の千葉県浦安市)の行徳にある塩田を見学し、技術を伝えて完成させたことなどを説明。「70歳以上でないと塩田のことを知る人は少ない。このような良い場所があったと思いをはせてほしい」と語った。
講演会は9月16日にあった。石巻市渡波の団体職員武藤良子さん(68)は「歴史全体の流れの中で塩田にどのような価値があったかが分かり、面白かった」と話した。
第2段の講演会は11月8日、同センターで開く予定。
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