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避難生活の心構え学ぶ 段ボールベッドを体験 石巻・大谷地小

段ボールベッドの寝心地を確かめる児童

 石巻市大谷地小(児童103人)の6年生16人は5日、災害時の避難生活について知る防災学習に取り組んだ。不自由な生活を乗り切るための方法を学び、段ボールベッド作りを体験。有事への備えに理解を深めた。

 一般社団法人石巻震災伝承の会の山縣嘉恵副代表(55)が講師を務めた。「からだにやさしい避難生活」をテーマに、ライフラインが使えない環境への備えを説明。体調維持のポイントとしてトイレや風呂を我慢せず、代用品で賄うことなどを挙げた。東日本大震災時の避難所の様子も写真で紹介した。児童は「寒そう」「密で動きづらそう」といった感想を挙げた。

 段ボールベッドづくりでは、蛇腹に折った段ボールを組み入れて強度を高めた。余った段ボールはちぎってビニール袋に入れ、枕にした。児童たちは完成したベッドに交代で寝転んだ。佐々木奏君(11)は「最初は不安だったが、いざ寝てみると寝心地が良くて、段ボールってすごいと思った」と話した。

 山縣副代表は「簡単に答えを言わず、考えてもらうことを心掛けた。防災に対して怖いイメージがあるという児童もいた。体験型で楽しみながら自分の力にしてほしい」と期待した。

 藤坂雄一教諭(50)は「避難所生活の体験がなく、画像や映像を見たことがない児童も多くいた。学習を通じて避難生活をイメージし、段ボールの使い方の知識も増えた」と語った。

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