関東大震災100年 石巻出身・弁護士 布施辰治の活動紹介 虐殺事件調査書を展示 市博物館
石巻市出身の弁護士布施辰治(1880~1953年)の関東大震災での活動を特集した展示が、石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)内にある市博物館で開かれている。展示資料入れ替えのある2期制で、前期は31日まで、後期は来年1月8日まで。
前期展では震災後の流言によって朝鮮人や労働運動家らが虐殺された事件に焦点を当てる。布施が事件遺族や暴行被害に遭った関係者から聞き取った調査書など、19点を一部翻刻付きで展示する。
資料にはおびただしい遺体の目撃情報や、事態の隠蔽(いんぺい)を図った警察の動きなど当時の様子が記録されている。労働運動家10人が殺害された「亀戸事件」については、今はほとんど残っていない自警団員の犠牲者に関する資料も展示している。
後期展では、震災で住まいを失った被災者への支援活動を特集する。
展示は布施の活動を掘り下げる特集展の1回目で、関東大震災から今年100年になったのを機に開催した。今後も、博物館が保管する関連資料約5000点を基に、テーマを定めて布施の足跡をたどる。
伊藤匠学芸員は「社会が動揺するとデマが生じる。流言を信じた結果が招いた最悪の事態を、当時の生の言葉を読んで知ってほしい」と話した。
観覧料は一般300円、高校生200円、小中学生100円。午前9時~午後5時。毎週月曜休館(当日が祝日の場合は翌日)。
連絡先は市博物館0225(98)4831。
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